Designer Interview KIM from KIMMY

クラフト感のある”NEWOLD”と機能性の高い生地を使用した”kimmy product”。

相反するように思えるプロダクトがバランスよく共存するブランドKIMMY。

キャッチーな”NEWOLD”とミニマルかつ着心地の良い”kimmy products”が異なる層を魅了し、国内だけではなく海外での人気も得ている。

同ブランドのデザイナーKIM氏にブランドの始まりから最新コレクション、そしてブランドの背景を伺った。

WTS(以下:W) KIMさんのキャリアについて教えていただけますでしょうか?

Kim (以下:K) 2006年エスモード・ジャポン東京校卒業後にニューバランスやアメリカンラグシーをはじめ国内外のファッション、スポーツブランドで経験を積み、2021年より自分のブランドであるKIMMYをスタートしました。

W:各ブランドではどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

K:20代の頃はアシスタントなどをしていましたが、30歳ぐらいからは、全てメンズデザイナーをしていました。ニューバランスでは、メンズ、ウィメンズ、そしてキッズのデザインマネージャーというポジションでした。

W:ブランドを始めたきっかけを教えて頂けますでしょうか?

K:ニューバランス時代に以前から仲の良かった縫製工場の営業の方から、仕事は関係なく好きなものを何着か作ってみませんか?というお話があって、8着ほど試作品を作ったのがきっかけです。作ったからには見てほしいし、意見も聞いてみたいと思いセレクトショップの方々に見て頂いたのですが、いきなりオーダーを頂くことができました。ニューバランス ジャパンの社長とも話し合いをさせて頂き、デザインマネージャーをしながらブランドを継続していたのですが。ブランドをやりたい気持ちが大きくなり、それから1年後ぐらい経って独立しました。

W:最初に作られた8型というのはどのようなアイテムだったのですか?

K:ジャケットやパンツ、ショーツなどです。ニューバランスで培った撥水性やストレッチ性の優れたナイロンを使用したファンクショナルなプロダクトやアシンメトリーのパッチワークが施された手仕事感のあるアイテムで構成されていました。

W:KIMさんがファッションに興味をもった時期、きっかけを教えて頂けますか?

K:プラモデルやミニ四駆に熱中していた幼少期を経て、中学生くらいからファッション雑誌をきっかけに興味をもちました。当時の90年代中盤は古着やスニーカーブームがものすごくて、BOONやメンズノンノなどを片っ端から読みあさっていました。洋服の持つ造形や装飾にとても惹かれて、雑誌を見ては当時流行っていた古着屋やショップ、フリーマーケットに通いました。モノづくりが好きだったのでいつか服を作ってみたいなという気持ちも自然と芽生えました。どちらかというとプロダクト目線からデザインに興味があったのかもしれません。

W:ご自身が考えるブランドの特徴はどのような部分だと思われますか?

K:手仕事と機能性の共存です。一見相反する2つのキーワードを共存させることでの独創性を追求しています。

W:Human craft and functionをコンセプトにされていますが、どのような意味が込められているか教えていただけますでしょうか?

K:人の手仕事でしか作り出せないものと、その真逆にある現代的な機能を掛け合わせることで生まれる新しいスタイルの追求です。デザイナー自身が古着からファッションに魅了され、大人になるにつれて衣服の機能性に目覚めるという流れをブランドで具現化しています。

W:KIMMYのコレクションの中でNEW OLDとタイトルにつくアイテムは特に素材の切替部分が美しく感じました。どのようなインスピレーションで製作されたのでしょうか?

K:NEWOLDはブランドコンセプトの”HUMAN CRAFT”の部分にフォーカスしたシリーズです。名のとおり古いものと新しいもの(クラフトとファンクション)を一つの製品に共存させるというインスピレーションで製作しました。切替部分などは90年代のスポーツブランドのアウターなど当時自分が影響を受けたものがイメージソースです。今季のNEWOLDでは、1950 年頃にヨーロッパ、中東で作られた、ミッドセンチュリーのハンドキルトやインテリアブランケットを使用したコレクションを展開しています。時代を超えたノスタルジーでクラフト感溢れるテキスタイルを現代的な素材を使用したボンバージャケットやデニムジャケット、スエットなどに落とし込みました。また、このようなアイテムを超高密度、超撥水のヘビーナイロンを使用したプロダクトと合わせるなどスタイリングの中でも古い物と新しい物を共存させるようにしています。

W:アップサイクルのアイテムはどのようなきっかけで製作を開始されたのでしょうか?

K:先ほどお話した90年代はミクスチャーのカルチャーが全盛期で自分自身もモードや古着、テックと様々なジャンルが好きでした。ブランドをやる中でも、自分の好きな物を一つのアイテムに集約させたものを作りたいという気持ちが強くあり、どうすればできるのかということを考え続けていました。そんな時に以前から知り合いの方がアップサイクル事業を展開されるという事で、ブランドコンセプトとも近しいものを感じ、定期的なリメイク製作をスタートしました。

W:ブランドをスタートされてから早い段階でパリに出展されていたと記憶しています。

海外進出へのお考えを聞かせて頂けますでしょうか?

K:ブランドスタートの翌年にはパリで展示会を行なっていました。

早い段階での海外出展は、既に海外に出店していた知人の紹介、勧めによるところが大きいです。現状も売上の構成比は海外が多く、国内はSS26から新たな営業の方も加わり、これからしっかりとスタートしたいです。ブランドコンセプトやもの作り、共に独創性を大切にしながらブレないもの作りを目標としています。国やマーケットは関係なく、より多くの世界中の方々にKIMMYというプロダクトを見ていただきたいです。

発表の場も展示会をベースにしながら、最終的にはランウェイを目標にしています。

W:現在アナウンスできる範囲で新しいプロジェクトなどを教えていただけますでしょうか?

K:現在はNEWOLDに加えて、新たにkimmy productsというシリーズを作成しております。SS26からスタートし、本格始動はAW26からになります。kimmy productsはブランドコンセプトの”FUNCTION”の部分にフォーカスしたシリーズです。私の中にある“大人になるにつれて衣服の機能性に目覚める”という部分を前面に出した、着心地や生地の質感を重視したコレクションです。

W:何かkimmy productsを始めるきっかけなどはあったのでしょうか?

K:僕自身がトップスが派手なアイテムであればボトムスはシンプルなアイテムを着用するなどトップスとボトムスでバランスを取ったスタイリングをするようになったり、着心地の良いアイテムを好むようになりました。そんな自分自身が大人になる中で生まれた感覚を着用する方の気持ちと重ねた時に生まれたコレクションがkimmy productsです。NEWOLDとのスタイリングや単体でのベーシックでエレガンスなスタイリングもお勧めです。

W:今後の目標を教えて下さい。

K:ブランドスタート当初よりもコンセプトやもの作りを追求し、世界観を固めながらデザインの幅を出せるようになってきたと思います。今後はNEWOLDとkimmy productsの二軸をさらに追求して、強化しながら国内外でのビジネス的なシェアと発表の場を広げていきたいです。