WTS(以下:W)ご自身の考えるALPHA INDUSTRIESの魅力は何だと思いますか?
ALPHA INDUSTRIES CEO Mr. Mike(以下:M)ALPHA INDUSTRIESは、愛を感じる存在です、そして家業でもあります。1959年に祖父がブランドを立ち上げ、父が80年代と90年代に社長を務め、2000年代には私が社長を務めています。 ALPHA INDUSTRIESは、歴史を持ちながら、現代的でもあります。かつては軍のユニフォームであり、様々な文化のユニフォームを経て、現在ではストリートのユニフォームとなっている。私は、ALPHA INDUSTRIESを誇りに思いますし、ブランドに対して情熱を注いでいます。
W:1954年の創業時から変わったこと、そして変わっていないことを教えて頂けますでしょうか?
M:変わっていないものは、ALPHA INDUSTRIESが何かということ、そしてルーツや目的です。元々は、兵士やパイロット、ネイビーなどを極限環境下で守ることでした。商品の品質や性能、そして実用性も変わっていないことかと思います。先ほどお伝えしたことを繰り返すこととなりますが、ミリタリーの為だけではなく、時代に合わせて ALPHA INDUSTRIES のジャケットはユニフォームとして存在してきました。ベトナム戦争時には、軍に着用されながらも、国内で戦争に反対するヒッピーの方々にも着用されていました。変わった点は、若い世代のファッション向けとして現在作られているという点だと思います。

W:御社の代表するプロダクトMA-1は、実用的な機能を持ち、軍に長年実使用されてきました。現在では、ファッションシーンでも多くの人々に着用されています。こちらについてどのようにお考えですか?
M:私は、MA-1をペイントする前の白いキャンバスだと思っています。コラボレーション相手は、アーティストのような存在でMA-1というキャンバスにデザインというペイントをしてくれることにより全く新しい何かに変えてくれます。
W:ALPHA INDUSTRIESにとって日本という場所はどのような意味がありますか?
M:日本は、ALPHA INDUSTRIESにとって長年のパートナーですし、日本人はオーセンティックなミリタリースタイルを求めてくれている存在です。また、日本は世界の中でもアーティストが新しいものを生み出すクリエイティブの研究所です。僕や世界にALPHA INDUSTRIESがどのような存在になれるのかを教えてくれる先生のような存在とも言えますね。
W:マイクさんの日本への印象を教えて頂けますか?
M:日本は新しいアイディアをくれる、クリエイティブの中心です。ALPHA INDUSTRIESのルーツやDNAに敬意を示してくれるだけではなく、新たに作られたファッションというDNAも受け入れてくれた国です。
W:マイクさんがCEOに就任されてから多くのファッションブランドとのコラボレーションを実現してきました。どのような戦略でコラボレーションをされたのでしょうか?また、コラボレーションにはどのような意味があると思われますか?
M:コラボレーションは、ALPHA INDUSTRIESが時代に合わせて必要とされる存在であり続ける為に重要な意味があります。また、ブランドのストーリーやルーツを新しい言葉で伝えることでもあります。コラボレーションがAlpha Industriesの最も現代的でクリエイティブな形と言えますし、コラボレーション相手のブランドやデザイナーがブランドを新しく特別なものにしてくれます。
W:今回のPOP UPにはどのようなことを期待されていますか?
M:POP UPがブランドのストーリーやルーツを再認識してもらう機会になって欲しいです。また、多くの方々、特に若い方にALPHA INDUSTRIESを知って頂きたいですね。
W:今後のブランドの戦略や計画などについて教えて頂けますでしょうか?
M:一つ目は、若い方々へオーセンティックなミリタリーブランドの伝統や歴史を知ってもらうことです。二つ目は、ミリタリーブランドがファッションという分野で何をできるかを伝えていきたいです。例えばMA-1やCWUのオリジナルを見て頂き、その後、素材の変化やフィット、デザインの変化などを通して現代的な部分を見て頂きたい。

TEXT & PHOTO SHUHEI

