BED j.w. FORD 2025 Fall Winter Collection

デザイナーの主観は、変わらず、現実的な日々の生活に基づいています。一方で、彼とブランドが志向し続ける「エレガンス」とは、ある種のファンタジーだといいます。

「現実は現実で、夢想や理想とは別。

両者の差異をなくすことをしているわけではない。

自分の服作りは、それらが肩を寄せ合うようなこと……

しかし、このことを言語化することができない。だから服を作っている」という。

デザイナーは、心も体も、現実とファンタジーを往来する。

そして、2025年秋冬コレクションは、いつもの服に少しだけ違う風が吹いています。着る人の手の中で、布地は少しずつ馴染んでいきます。時には、想定外の場所に皺が寄り、予期せぬ場所に布地が落ちることもあります。

デザイナーを惹きつけたそうした偶然の重なりが、デザインの細部に静かに息づいてみえるでしょう。