KIDILLがSS25 Collectionを公開した。ニュージャージーを祖郷に持ち、 LA を拠点とする theOGM(BlueFace)と Yeti Bones(Eaddy)から成るデュオ、Ho99o9(ホラー)と末安弘明氏の特別な邂逅、そして数年にわたる継続的な対話には、2025 年春夏コレクションの胎動に欠かせない数多のインスピレーションが潜んでいた。
愛するものからの影響を受け、新たな創造へと昇華させる。末安氏が KIDILL を通じて実践してきた不変の美学は、およそ 2 年前、独自の前進欲と無二の美意識を、風狂な佇まい、楽曲、パフォーマンス、衣装を介して体現する Ho99o9 が完璧に KIDILL のスタイルを纏ったことに端を発した関係性を介して、より明らかにしていく。「彼らのあらゆるスタイルに通底する本質と態度に感銘を受け、この自然発生的な共感は、KIDILL にこれまでにない想像力をもたらしてくれました」と末安氏は語る。
特定の人物のスタイルコードがデザインの着想となることは、KIDILL にとって初めての試み。身体の特性を凌駕するアイコニックなウェディングドレスや、もっともユニークな DIYライブコスチューム、直裁的な「彼らが私服で着ていそうな姿」といった、対話のファクトだけが織りなすことのできるイマジネーションは、Ho99o9 のグラフィックや刺繍だけでなく、無数のジッパーやフロントを留める南京錠のディテール、ノースリーブのデニムベストやレース素材のシンボリックな使用、カスタマイズ精神の進化に至るまで色濃く注ぎ込まれている。
興味深いことに末安氏は、Ho99o9 の姿と精神性に「東京らしさ」を見出したのだと話す。それは、デザイナーが人生をかけて実感してきた感覚的主観であり、原宿のストリート、特にロリータのエッセンスと有機的に結びつく。
ゆえに、田中かえのグラフィックや、ドレスや装飾にも現れる「哲学を持って服を選び、服を纏うことの一致」を通じて、必然的な吐息としてコレクションで共生する。さらに、メタルバンドの古着 T シャツを解体したアイテム、ボロボロに蝕まれた風合いや弾丸を収めるバンダリアバッグ、ノースリーブのテーラードジャケット、テーラーの手によるボンテージパンツも登場し、末安は奔放にデザインを拡張していった。
ここで抜き難い事実は、KIDILL における複数の真のコラボレーションが依然として未来のパンクを切り拓く力を持っていること。umbroとのコラボレーションによるトラックジャケットやパンツ、ゲームシャツをはじめ、アイロニカルな一点もののマスク、HIZUME との帽子などはその一例にすぎない。「PROTECT MY BASIC」は、核心をつく端的かつ強烈な宣言でもあった。
これらは、Ho99o9 の名に秘められたコード “999” が、次なるステージへの進化、まだ見ぬ景色への予感を宿していることとも関連するでしょう。悪魔の数字ともいえる 666 を逆さにした数字であり、1000-1 という未定義の意味を孕むこのエンジェルナンバーは、無限の可能性と先進の魔力を秘め、末安氏の現在形の心をも代弁している。
Show Director: Michio Hoshina *PLANKTON / Stylist : Tatsuya Shimada / Hair Stylist : Kunio Kohzaki /
Make-up: Kanako Yoshida *lga management / Casting : Taka Arakawa, Jose Maria *ALTER / Production: Devi Sok /
Runway Photo: Ko Tsuchiya / Backstage Photo : Ko Tsuchiya, Flo Kohl / Show Coordinator: Azusa Nozaki /
Writer : Tatsuya Yamaguchi / Artwork: HO99O9, KAE TANAKA, ohiana /
Collaboration : HO99O9, UMBRO, HIZUME, RICHMOND KNITWEAR, KIRIN TAILORS, ACUPUNCTURE, Deadly Sweet,
YUUKI IWAMA, NC, rurumu: / International Press : Totem fashion / Japan Press : Sakas PR / Support : Dr. Martens /
Movie Director: Minori Murata / Movie Music: HO99O9
KIDILL Designer: Hiroaki Sueyasu