玉田達也氏が手掛けるTammeがFW2025 CollectionをRakuten Fashion Week Tokyoにて公開した。
Tamme の根幹にある「既存の更新」には、「衣服に焦点を当てながら、固定概念に縛られず、現代に再構成することで、クラシックとモダンを内包した多様性を宿す現代の服を提案」という意がある。2025-26 年秋冬コレクションは、内省を介し、この道徳を拡張することが起点となった。自らの創作を濾過器として、各々に潜在する気づきを顕在化させようとすることで、日常にほんの少しの気品を生み出し、さまざまな変化に対応でき、前進性のある日々を送るための洋服のプラクティカルな一面を炙り出そうとする。
このような Tamme の思案は、この複雑な世界の闇に染まった果てしない道を当てもなく歩くのではなく、遠方には確実に光明が差していて、そこに向かっている。揺らぐことのない態度がある人たちの、地に足の着いた姿が露わになっていく。
コードを必要とする社交の場であっても、同じドレスコードを伝えた時の解釈は一義的ではない。だからこそ、コードのグラデーションを描くためには、文化や観念、定義といった抽象的な垣根を超え、馴染ませていくための学びが必須となる。知性や教養を身につけるために古本や史書を読み解する、という今やアナログとされる学びの手法には、まだ発掘されていない未踏の知覚があるはず。そもそも、各々の癖や個性があり、希求することも、されることも単一的ではないからだ。ただし、それは理解に落ちなくても良い。そこに向かう姿勢にデザイナ―、玉田達也氏が服に込めた示唆がある。だからこそ、洗練に向かい続け、気品を帯びることが人の高揚感を覚まし、肯定する力を蓄えさせることができると玉田氏は考えている。気品とはコアであり、アイデンティティーの確立と差異の明示に結実する。当然、例外的な状況も多々ある外の世界は未舗装の険しい道もあるだろう。傷や汚れが付着しても進む、愚直な人間味が漏れてしまったとしても、人は前進する。
コレクション全編に通貫されているドレスコードの解釈。正装の形式に使われる男性服の抽出は、タキシード、カマーバンド、ボウタイ、側章、ホワイトシャツに散見される。ブラックやネイビーといった色彩もそれらを彷彿とさせ、ドレスコードに含まれる要素、特に装いに関する事象を解体する。カマーバンドはバッグに変わり、収納という実用が整合性をもってデザインされたように、現代の「デイリー」に浸透させる意思の俎上に、フォーマル、カジュアル、ミリタリー、スポーツといったスタイルのコードを細部に潜ませることで、Tamme として品を添えるという所作がアウトフィットに明示されていく。ジャージのセットアップに側章を入れたり、社交界やクラブなどとの対比によるネオンカラーの抜粋、スウェットシャツをドレスシャツとして共存させるのは矛盾と適合を往来した最たる例。上品な元型に対して、ウール地の全面に顔料プリントし、断ち切りや解れ、縫い目の当たりといった加工を入れたモーニングコートは、洗練と粗野という矛盾をひとつにさせ、許容する。
また、2024-25 年秋冬より登場した「衿を正す」タイは、自分のための選択を意識する姿勢に対して、ただ気を追うことはない、という意図を反映させるため、結び目が失われた。
都市の狭い裏路地、足場の悪いような不自由な夜道。自由と不自由、安定と不安定…矛盾が同居する錯雑な現代において、器用で、不器用でもある “我々” の今と態度を表現すること、混沌や束縛の中でもがき、思考すること、その大切さや美しさを許容することは、人がそうありたいと願い、行動する源となる気品の表現を助長する。規制の厳粛さ、形成される品に対する理解と眼差しが、現代における快適な空気感と同調することで、表層だけではない軽妙さを内包する自由な装いとなっていく。そうした創作を介し、Tamme はオルタナティブな「規律」を生み出さんとしていく。
2025 Fall/Winter collection
“Nocturnal Forward”
Design : Tatsuya Tamada
Creative Edit : Tatsuya Yamaguchi
Hair : Yu Nagatomo at Home Agency
Make-Up : Kanako Yoshida
Show Music : Shun Ikegai
Movie : Genki Nishikawa at mild inc.
Casting Direction : Kosuke Kuroyanagi at VOLO
Runway Photography : Koji Shimamura
Show Direction : Michio Hoshina at PLANKTON
Set Design : Yuki Takamura at KuRoKo Inc
Lighting : Ryo Kawamura at art brain company
Sound : Hiroki Yoshimi at art brain company
PR : Keitaro Nagasaka at Sakas PR
Special Thanks : BOTH Paris
WTLA
(N)ONE ATELIER
Taku Kato

























